舞台芸術の歴史 2

【演劇】

さて、シェ−クスピア以後の演劇についてですが、実はピューリタン革命後の荒廃で、英国の演劇文化は廃れてしまいます。一方、お隣フランスでは絶対王政のもと貴族文化が真っ盛り、17世紀にはモリエールらの喜劇が人気を集めます。そのモリエールの劇団が中心になって、コメディ・フランセーズが生まれます。ちなみに、イタリアや、スペインでも演劇は人気でした。

 そして、19世紀を迎えます。イギリスの産業革命を皮切りに、演劇と言う娯楽がより大衆の近くになり、また人々の所得が増えたこと、労働の合間に新しいエンターテイメントを人々が欲したことで、様々な演劇が行われるようになりました。演劇以外にも、演奏会、踊り子によるレビューなんてのもこの時代になります。一方でオペラという、人類再興のエンターテイメントもこの時代に誕生します。(オペラについては別項で紹介します)

 

19世紀末のロンドンを舞台にしたコナンドイルの『シャーロックホームズシリーズ』世界の中心ロンドンには、あらゆる娯楽があり、彼が、演奏会や演劇に通う姿が垣間みられます。しかも、彼は自宅ベイカー街21−Bの借家でヴァイオリンを弾きます。しかも名器ストラディヴァリウスを持っているのです。

 演劇は、この後は、貴族や金持ちではなく、一般大衆の娯楽として、他の芸術運動(ロマン主義、自然主義、リアリズム、シュールレアリズム、フォルマリズム、不条理劇)と連動して発展していきます。

 

シャークスピアの名台詞に「この世は全て舞台。人は誰しも、その舞台で演じるただの役者」と言うのがあります。現代人の周りにはフィクションが溢れています。自分の何気なくとった行動、トラブル、思いがけない行動が、そのフィクションの主人公と同じ行動で苦笑いをしたことがある、なんて経験誰にもあるはずです。現代人は、演劇をはじめとするフィクションを通し、頭の中でシミュレーションしながら人生を生きているのかもしれません。

 舞台芸術が、人の喜怒哀楽、感情の発露が原点と言いましたが、どんなにコンピュータや、IT技術が進んでも、人間の中にある太古の記憶と共に生きているのが人間なのかもしれません。